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09 Oct 09

クローゼットの中の棚を作るのに20万円!の見積もりだったり、私が購入した1500円の鏡を壁に取付けるのに取付料2万円だったり、絵画をぶら下げるためのピクチャーレールを作るのにある業者は30万円といい、別の業者は半額の15万円だった。洗面所のカーペットを頼むと、ある業者は15万円だといい、ある業者では3万円だった。まったく同じメーカーの同じ商品なのに!である。


バブリーの時代や、上質な家具とオーダーメイド家具の価格がそう変わらない時代だとその見積りに驚かなかったかもしれない。だが、数万円で見栄えのいい家具が登場した現在では、その価格設定の統一のなさはとてつもなく“ぼったくり”に映る。シロウトがフラッと買い物をするには危険な市場だ。


あまりに極端な価格差が「それなら自分で作ろう」と人をイケアに走らせる。


そこでは家具を倉庫から搬出するところから組立てまで客の仕事だ。そうすることで1500円の鏡は1500円として存在し、客は納得するのだと我が身を振り返り思った。


安いから買うのではない。価格に納得と安心があるからそれを買うのだ。高いものを買わなくなったのではない。その価格への不信感が購買を慎重にさせる。


私も別に生活に困窮してイケアに行ったわけではない。業者の見積もりを見る度に憮然とし、そのバラバラ加減に不信感を募らせ、価格の安心と納得を求めたらイケアになったというだけのことだ。


景気が悪いのではない。価格設定そのものを疑う客の目が育ってきたのだ。その結果、従来の業者のやり方にノーを言う客が増えてきたのだ。


不景気だから安いものに消費者が集まるというニュース解説を聞くたび、私は「今こそが健全なのだ」と反論している。

売れない、の正体は「価格不信」:日経ビジネスオンライン
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